北欧旅日記 十一日目
[MORNING]
ゲストハウスに併設する小さなカフェで朝食
野菜が少ないのが少し寂しい、、
隣のスウェーデン人のおじさんに声をかけられ
日本人と答えると紀平さんのスケート動画を一緒に見ることに、、笑
それよりも「I'm swedish 」と答えたおじさんに対して
「It's cool! 」と返したのだけれど、なんだかしっくりこないというような
その一言でスウェーデンへの憧れの思いは全く伝わらないな、、と
返事って難しい、
返事のレパートリーを勉強するのみ
準備して中央駅へ
コペンハーゲンの朝
デンマークは入館料・移動費各々高額なので
コペンハーゲンカードを購入
二十四時間で七千円程度
少し頑張ってこの二十四時間でみっちり観光することに
今日は郊外にある
ルイジアナ近代美術館へ
世界一美しいと称され、原美術館のモデルにもなった美術館、
この美術館に呼ばれてデンマークへと足を運んだと言っても過言ではなく
とても楽しみ
最寄駅からは二十分ほど歩く
普通の住宅街(でも高級住宅街かも)を歩いていても
楽しくてなかなか前に進めず、、、
どちらのお宅にも庭やガレージがあって
雨にも風にも寒さにも負けることのないような重厚で、温かみのある造り
遠足の子どもたちの後ろを一緒に歩く
この歳で学校として美術鑑賞に行くカリキュラム、
私の時代にはなかったけれど今はどうだろう
以前、何気なく好きだった科目についての話をしていた時に
印象に残ったことがある
「図工は本当に苦手だった。
まず何を作ったら良いか分からないし
やっと思いついて作業に取り掛かった頃には時間がなくて
結局中途半端なまま面白くないものができて終わりだったから。」と
小学生の頃の私にとって図工の時間は最高の娯楽で
皆がそうだと思い込んでいたけれど、
その話を聞きそうではないんだなと知った
図工の時間に「はい!作りましょう!」ではなくて、
こうして美術品に触れインプットしてから
どんな気持ちになった?
どの色が、形があった?素敵だった?と、
問いかけ、頭の中でもう一度思い浮かべる
本物に触れることも教育のプロセスで、
それが作品作りの導入へと誘うのかなと、、
図工教育、美術教育は本当に面白そうだし難しそうだし
やりがいがありそうと日々思っている
などと色々思い巡らせていたら
ひっそりと小さな美術館に到着
美術館という建物があって
作品がなお映えている
企画展は『MARSDEN HARTLEY マースデン・ハートリー』
二十世紀初頭、アメリカ発の現代アーティストと称されている方
「still life」と言う題の通り静かな作品、
メキシコのモチーフ・色、その地の空気を感じるパワフルな作品、
精神世界系の図ような作品、
暮らす地、時代によって驚くほど作風が変化するアーティストで
とても面白かった
でも全体的にセザンヌのタッチに似ているかな
ブラック風の可愛い系キュビスムの作品もいくつか、
個人的に好きだったな
この美術館で見かけた
足の不自由な方でも自分だけで階段を上がれる設備
大きな音もせず静かで、使っている方もちらほらと見かける
誰にも迷惑かけたくないなって、
その気持ちにそっと手を差し伸べてくれるような
庭の大樹
枝で幹をまといドレスを着ているような
作者のいない芸術品
話題のカフェにも
海を一望できる、気持ちの良い空間
[LUNCH]
そこまでお腹がすいていなかったのに
あまりの居心地の良さと
カフェメニューの華やかさに、、、
なんだかお腹がすいたような、、、笑
カレークリームチキンとベーコンジャムのサンド
ビールはぐっと我慢
これで1500円近く、なかなかいいお値段
でもものすごいボリューム!
チキンもゴロゴロ入っていてとても美味しかった
他にも
フライドベジタブルとフムスのサンド
サーモンとクリームチーズのサンド
なかなか選べなくて席を見つけつつ多分十分ほど格闘していたと思う
開館の十一時から三時間ほどたっぷり美術館を楽しみ
心満ち満ちて市内へ戻る
コペンハーゲンカードがあるので
せっかくだし、小一時間のクルーズへ
曇り空なのが少し残念、けれどどんより雲がこの国々の日常
船上で作戦会議
コペンハーゲンらしさが一堂に感じることのできる
素敵な体験だったのでコペンハーゲンに訪れた際は是非
街並みの美しさも堪能できる反面、
海を挟んで向かいには工場地帯があり
工場地の倉庫をリノベーションしたMikkellerが見えたり、
コペンハーゲンの土地感を知れて楽しかった
素敵な体験だったのでコペンハーゲンに訪れた際は是非
どんより雲に加えて風も吹いていたので結構寒い、、、
避難も兼ね中心地へ
ストロイエという世界初の歩行者天国は
右も左も目移り
お目当の北欧雑貨の百貨店
『lllums Bolighus』・『HAY』へ
lllums Bolighusは大きな北欧雑貨の集結した百貨店なのですが、
ここではひたすら悶絶
デンマーク雑貨、恐ろしく可愛いのです
地味色好きの聖地
いつの日かの?誰かの?ために買ってしまおうかと本気で悩む
子ども用品ブランドの『Kongessloejd』
信じられないほど可愛い、、
スウェーデンで買い逃した『L:A BRUKET』 も!
他にもスカンジナビスクとか化粧品諸々
ユニセックス系・草木の香りが好みなのですが
惹かれるものばかり
たっぷりお買い物、大満足!
この時点で十八時、今日はもう少し頑張ります
勢いで二十時まで開館している
コペンハーゲン市立美術館へ
ここの常設、北欧作家の充実度に圧巻
疲れを忘れ酔いしれる
作品はまたまとめよう、ひとまずその雰囲気だけでも
せっかくデンマークに来たのだから
来年日本へ訪れる
ヴィルヘルム・ハンマースホイに早めにお会いしに
ノームに包まれたようなノーブルな世界
来年の展覧会ポスター
「北欧のフェルメール」というキャッチコピーは
うーん、なんだか日本の商業的だなと個人的には感じてしまう
フェルメールはもっとぞくっと何か人間味を醸し、
一枚の絵でサスペンス感がある
なのに気品も持ち合わせていて
描き込まれているから人物画でも万人受けする
でもハンマースホイはまず人間味や現実味からは真逆
絵の中の主人公とは決してめくることのない薄い布で遮断されているような
悲しい風景、そっとしたい気持ちになる
日本でこの作品を観たならば
血の通わない表情・景色は
鑑賞者にとって「異風」という魅力を放ち
その空気感に包まれるだろうなと
こんな風に個人の意見をつらつらと述べてしまったけれど
時代によってファルメール感が出てくるのかなとも
とても気になる画家さんなので
来年の楽しみにとっておこう
やはりノルウェー画家、惹かれる、、、
私も正に、ノルウェーの持つ「異風」にはまる
今にも喋り出しそうな絵の中の人々
何とこの後、
絵画の前でチェロ演奏に出会う
演奏を聴きながら
A3サイズのスケッチブックを広げて両側に座り
各々スケッチをするカップルの後ろ、
私も絨毯にぺたりと座り込み演奏を堪能する
そろそろ閉館、カフェを覗いて帰ることに
なんと!天井からはイサム・ノグチの照明
木でなく石灰にも馴染む美濃和紙、素敵だ
どこの美術館カフェを覗いてもぐっとくる、
この空間美?というか居心地の良さは
日照時間の少ない、厳しい北欧の産物のよう
良い夜を過ごす、
スーパーに寄ってささっと帰ることに
[DINNER]
お昼の大きなサンドウィッチ、
くるっと包んで残っていたのでそれとサラダの夜ご飯
□今日のBEER□
ノーベラー プレミアムピルス ドイツ
後からあれ、ドイツのビール
でも格安で、70円ほど、値段調べるの楽しいです笑
へっとへとですが明日で一日過ごす最後の日、
二十四時間を満喫すべく明日も早起き、できるかなぁ